サンゴの森を取り戻すために
沖縄のサンゴとその現状
沖縄を含む琉球列島には、日本に生息する約80%の造礁サンゴ礁と数多くの貴重な生き物たちが生息しています。しかし今、その豊かな海を保つために必要なサンゴ礁が、地球温暖化による海面上昇や水温の上昇などの世界的な環境ストレスと、赤土の流入や富栄養化などの海洋汚染による地域的な環境ストレスが絡み合い、危機的な状況に陥っています。
サンゴは海の生物多様性を守るためにとても重要なものです。水質浄化や良質な漁場、天然の防波堤としての減災機能を持っており、「人」にとっても無くてはならない大切な存在です。
このままサンゴ礁が死滅し、壊滅的な状況が続けば、世界の3分の1のサンゴ礁が絶滅してしまう可能性があると予想されており、生態系に大きな影響をもたらしてしまうと危惧されています。
八重山漁協が取り組む
国内初の有性生殖によるサンゴ再生
沖縄の豊かな海を取り戻す
温暖化の影響による海水温の上昇、オニヒトデの大量発生、赤土の流入などでサンゴの白化現象が進んでしまい、日本国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」では2016年に約70%のサンゴが消失したとも言われています。
この課題を解決し豊かな海を取り戻すために、八重山漁協では”国内初”となる実用レベル「海域での有性生殖によるサンゴ再生」に挑戦しています。
SDGsの達成貢献も目指して
2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標がSDGsです。
17のゴールから構成され、その中に「14.海の豊かさを守ろう」があり、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のためにこの取り組みを行います。
そしてこの活動から観光業などの地域事業にさらなる活力を与え、住み続けられる街づくりに貢献します。
サンゴが死滅した崎枝湾(石垣市)
以前の姿を取り戻しつつある崎枝湾